Sweet silent night

5.キャラメルマキアート

 店内はシックなテーブルセットとカウンターがそろってて、落ち着いたムード。
 アンティーク調のオレンジ色のランプが室内をあたたかく照らしてる。

「はい、どうぞ」
 月城くんは、あたしにあたたかいキャラメルマキアートを淹れてくれた。
「わぁ、おいしい」
 キャラメルの甘さとコーヒーの香ばしさがしみわたるよ。
 心までポカポカになった気分。
 あたしの顔を見て、月城くんがクスッと笑った。
「やっぱり、星野さんってすごくいい笑顔するよね」
「だって、このキャラメルマキアートすごくおいしいもん!」
 あれ? 月城くん、今「やっぱり」って言った?
 気のせいかな。
「ありがとう、気に入ってくれて。これで星野さんの心が少しでもほぐれるといいんだけど。さっきはコワい思いしただろうから」
「月城くん……」
 あたしのこと心配してくれてたの?
 な……なんか急に心臓がドキドキしてきちゃった。
「そ、そうだ! あたしに頼みたいことってなに?」
 すると、月城くんの顔がサッと赤くなった。
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