私の一等星

1.

都立空星高等学校の入学式が終わり、新入生の京久保美怜は廊下に張り出されたクラス表を食い入るように見つめていた。
「中里絵麻、中里絵麻、中里……」
中学で一番仲の良かった友達の名前を呟きながら目をスライドさせる。一年学級は全部で八クラス。
当然、八組の渡辺の後ろに、な行の女子はいない。
「……」
もう一度、一組の出席番号一番から順になまえを確認する。見落としがないように一人一人の名前を噛みしめる。
「あっ」
途中、1組の中に志村奈々という名前を見つけた。心臓が鮮明な存在感を示す。脳が余計な憶測をする前に首をふり、再び視線をクラス表に移した。
「中里絵麻、中里絵麻、中里絵麻……」
まるで自身に暗示をかけるようにつぶやく。ドキドキと音を立てる心臓。しかし、8組の猫田を過ぎたところで自嘲気味な笑みが零れた。
私は、彼女の親友ではなかったのだ。すーっと心が冷えていく。

1年前、つまり私が引っ越す前の出来事を思い出した。
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