本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
 ここにいるのが辛くなってきた。
 この光景、見たくない。

 私はこの場から離れてトイレに逃げた。

 そうだよね、私と陽大くんは地味で似ているのかな?って勝手に親近感を抱いちゃっていた。でも本当の陽大くんはイケメンで、色々と器用にこなすタイプで。私なんか、足でまといなだけなんだ。

――きっと陽大くんは花田さんと……。

 洗面台の鏡を見つめた。

 映っているのは、長い髪の毛をひとつにまとめただけの適当な髪型をしていて、輝きのない瞳をしている地味な女子。それに比べて花田さんはいつも髪型がオシャレだし、瞳もキラキラしてる。それに周りから人気もあるし。

 心がズキンとする。
 心が痛い、痛すぎる――。
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