本当は誰よりも可愛い君。~君の全てを守りたいから
「本当に声をかけてくれて、ありがとう。おかげで自分に自信が持てるようになったよ」

 私は全力の笑顔を陽大くんに見せた。
 笑顔すらも自信がなかったから、こうやって人に全力の笑顔を見せるのも初めてだと思う。

 この笑顔を見せられるのは、陽大くんが相手だから――。

「来年、どうする? 衣装、このイルミネーションとかテーマにするのはどう?」
「来年もまた出るの?」
「うん、まだ2連覇した人たちいないらしいし、僕たちで史上初の2連覇目指そ!」

「陽大くんとなら、また出られる気がする」
「来年も、一緒に頑張ろ」
「うん」

 来年も、卒業しても。
 ずっとずっと。

 陽大くんとなら、一緒に前に進める気がする。
 一緒に前に進んで行きたいな――。

「そういえば、表彰される時に春川さんが『参加申込書に書いた通りに白雪さんを変身させていて……』って言っていたけれど、なんて書いたの?」
「……秘密! とりあえず、ケーキ食べに行こうか」

 話をそらされた。

 すごく気になる。
 いつか、絶対に聞こう――。


 目の前にあるイルミネーションみたいに、自分の心もキラキラと輝きだしていた。


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