リヴィ・スノウはやわらかな嘘をつく


「愛している。もう、けして、危険な目にあわせない。貴女と共に、生きていきたい」

 リヴィは泣きじゃくりながら、何度も頷いた。
「わたし、わたし、ずっと、お慕いしていました……。貴方のこと、大好きで、それで、嘘をついて、あなたにっ……」

 レインスはそっと人差し指を彼女の唇に乗せる。ゆっくりと首を横に振った。

「いいんだ。……あのとき、私がほんとうはどれだけ喜んだか知ったら、きっと、貴女は私を軽蔑する」

 彼は自虐的な表情で顔を歪めた。

「貴女の、嘘にのったんだ。私は。欲望と、本能のままに、貴女を」

 言葉が途切れる。

 神聖な森のなか、朝の光を浴びて見つめあい、優しく唇を重ねる。

 ふたりの瞳にはもう、嘘はなかった。

 完

 
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