知人の紹介で
その約束をした翌週に、二人は初めてのデートに出かけた。顔を合わせた段階から異様に恥ずかしくて、上手く目を合わせられない。二人でしどろもどろになりながら挨拶を済ませた。
「じゃあ、元宮さん。約束通り、手を繋いでみる?」
「うん、そうだね。繋いでみようか」
「えっと、これどっちがいいとかってあるのかな?」
志信は両手を出して交互にそれを見ている。
「あー、そっか。どっちがいいんだろう」
「じゃあ、全部試してみればいいかな? 左と右どっちで繋ぐか。手を重ねるのは上か下か。あと……指を絡めるかどうか」
志信のその提案に確かにいろんなパターンがあるから全部を試すのは至極合理的だと思いながらも、最後の選択肢に衣月は自身の顔が熱くなるのを感じていた。
「……うん。試そうか。全部で八通りだね」
その場で位置を入れ替わったり、手の重ね方を変えたりとしながら、二人は全八通りの繋ぎ方を試した。そうして二人が導き出した答えは不思議と一致していた。
「うん。これがとてもしっくりくる」
「私も。私が左手で、安藤くんが右手」
「僕の手が上で、元宮さんの手が下」
「……絡めるのはまだ早いってことで」
「……うん。それは追い追いで」
ぎゅっと握るわけではない。優しく手を重ねているだけ。でも、たったそれだけのことで衣月は人生で初めての複合的な感情を呼び起こされた。嬉しくて、楽しくて、気持ちよくて、恥ずかしくて、そしてやっぱりなぜか苦しい。でも、もうその苦しさこそが恋なのだと衣月は自覚できている。だから、その苦しさがとても心地よかった。
初デートの行き先は、少しだけデートも意識して水族館を選んだ。二人で水族館を訪れるのは実は初めてではないのだが、やはり二人の関係性が変わってしまえば、同じ場所へ訪れても、感じる想いはずっと色濃く鮮やかになった。
何度も何度も二人で目を合わせては、恥ずかしくて照れ隠しの笑みをこぼした。気分がとても高揚していて、二人ともずっと饒舌だった。別れるときには、淋しくて、離れがたくて、なかなか手を離せなかった。
「じゃあ、元宮さん。約束通り、手を繋いでみる?」
「うん、そうだね。繋いでみようか」
「えっと、これどっちがいいとかってあるのかな?」
志信は両手を出して交互にそれを見ている。
「あー、そっか。どっちがいいんだろう」
「じゃあ、全部試してみればいいかな? 左と右どっちで繋ぐか。手を重ねるのは上か下か。あと……指を絡めるかどうか」
志信のその提案に確かにいろんなパターンがあるから全部を試すのは至極合理的だと思いながらも、最後の選択肢に衣月は自身の顔が熱くなるのを感じていた。
「……うん。試そうか。全部で八通りだね」
その場で位置を入れ替わったり、手の重ね方を変えたりとしながら、二人は全八通りの繋ぎ方を試した。そうして二人が導き出した答えは不思議と一致していた。
「うん。これがとてもしっくりくる」
「私も。私が左手で、安藤くんが右手」
「僕の手が上で、元宮さんの手が下」
「……絡めるのはまだ早いってことで」
「……うん。それは追い追いで」
ぎゅっと握るわけではない。優しく手を重ねているだけ。でも、たったそれだけのことで衣月は人生で初めての複合的な感情を呼び起こされた。嬉しくて、楽しくて、気持ちよくて、恥ずかしくて、そしてやっぱりなぜか苦しい。でも、もうその苦しさこそが恋なのだと衣月は自覚できている。だから、その苦しさがとても心地よかった。
初デートの行き先は、少しだけデートも意識して水族館を選んだ。二人で水族館を訪れるのは実は初めてではないのだが、やはり二人の関係性が変わってしまえば、同じ場所へ訪れても、感じる想いはずっと色濃く鮮やかになった。
何度も何度も二人で目を合わせては、恥ずかしくて照れ隠しの笑みをこぼした。気分がとても高揚していて、二人ともずっと饒舌だった。別れるときには、淋しくて、離れがたくて、なかなか手を離せなかった。