知人の紹介で
 和巳の車に乗せられ、いったいどこに向かうのだと訝しく思っていたら、和巳が連れてきたのはなぜか高級そうなタワーマンションの一室だった。

「ここは?」

 千景のその問いには答えず、和巳はすぐにインターホンを鳴らした。中から女性が姿を現す。千景はその女性を見て、その目を大きく見開いた。だって、その女性はあの日和巳と腕を組んで歩いていたその人だったのだから。

「あら、和巳。おかえりなさい。そちらの方は?」
「彼女は鈴森千景さん。まあ俺が親しくしている人だよ。彼女も一緒に上がっていいだろ?」
「ええ、いいわよ。どうぞ」

 まったく状況がつかめないまま、千景はその家のリビングテーブルに二人と一緒に着く羽目になった。
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