思春期の青へ
だから杏菜ちゃんと仲良くなろうとした。

お互い様だった。

私達は友達ではあるかもしれない。

でもそれは学校限定のビジネス的な友達。

一学期の間ずっと一緒に行動していたけれど、何も意味がなかった。


(やっぱり、私っていてもいなくてもいいのかな・・・?)


泣くのを我慢して、クッションをギュッと抱きしめた。

私が2人と遊ぶことは、ただの1度もなかった。





(今日から二学期・・・。ペア画のことを思うと学校行きたくないな)


足取りはいつになく重いが、学校を休むわけにはいかない。

私の親は学校を許してはくれないから。

教室に着くと、もう美海ちゃんと杏菜ちゃんは来ていた。

ここで避けたらもう2人と話せない気がした。


「お、おはよー」


だから勇気を振り絞って声をかけた。

あくまで自然に。いつも通りに。

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