思春期の青へ
「綾乃、私、5組みたい・・・」
「え!?」


(5組って合同体育もバラバラだし、接点ないじゃん!)


一気に不安の波が押し寄せてきた。

何かあってもまゆかに頼ることもできない。

ショックを受けたまま重い足取りで教室に向かった。






教室のドアから覗くと、もう何人も教室にいて談笑していた。


(こんな中入るの!?入りにくっ!)


立ち往生していると、後から声が聞こえた。


「いつまで突っ立ってんだよ。邪魔」
「なっ!うるさい!緊張して当たり前じゃん!まゆかともクラス分かれちゃったし!」


ため息混じりに話しかけてきたのは幼なじみの榎並圭(えなみ けい)だった。

保育園から一緒で、男子が苦手な私が唯一緊張せずに話すことが出来る人だ。

ホッとはしたけど、あくまで圭は幼なじみ、良くて男友達枠だ。

女友達が出来たわけではない。


「だからってそこにいても何も始まんねーだろ」
「・・・だね」


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