思春期の青へ
「今回"は"って何?前回"も"泣いてかないからね!」
「はいはい」


圭はそのまま私の前の席に座った。

どうやらこのままここにいてくれるらしい。


「・・・優しくないんじゃなかったの?」
「お前が泣きそうだったからからかいに来たんだよ」


そうは言いつつも、最初にいじられかけただけで、それ以上は何も言ってこない。

心が温まっていくのを感じた。

私は何度圭に助けられるのだろう。


「圭」
「何?」
「ありがと」
「ん」


素直に私がお礼を言うと照れくさそうにそっぽを向いた。

さっきまで重く長かった時間が、正常に動きだした気がする。

圭と幼なじみでよかった。





1週間経っても美海ちゃん達とは何もなかった。

私に話しかけてきたりとか、そんなのもなし。

はたから見ても"仲良し2人組"って感じだ。

私の入る隙間なんてない。

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