思春期の青へ
明日またぼっちに逆戻りすることになる。

でも最初の頃より気持ちが軽いのは、同じ状況で頑張るまゆかと、困ったときに助けてくれる圭がいるからだ。

照れくさくて面と向かっては言わないけど、2人は私にとってかけがえのない友達であり、私の居場所だ。


「とにかく、2人にちゃんと話せた私頑張ったよね。褒めてくれてもいいんだよ!」
「はいはい偉い偉い」
「雑っ!!」


もっとちゃんと褒めなよと抗議していると頭にポンと手を乗せられた。

それから髪を流れに逆らいつつ撫でられる。

圭の予想外の行動に驚きが隠せない。


「え、これは何」
「褒めてんだよ」
「髪ぐしゃぐしゃになるんだけど」
「もう帰るだけだからいいだろ」


そういう問題じゃないと手をはらおうとしたが、辞めておいた。

小さい頃以来人に頭を撫でられていなかったせいか、とても安堵感があふれたからもう少しこのままでいいやって思ったのだ。

そんな私を見て圭は満足そうに笑った。





みんな人と友達になるきっかけを覚えているものだろうか。

私は覚えていない。

まゆかとも圭とも気づいたら一緒にいた。

何となくこの年からだよね、というのはあるが、とても曖昧だ。

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