雲のように遠いあなたは。
だからか、俺には分かった。
きっと彼女は、優しくて真っ直ぐで、素直で…。
みんなから愛されるような、そんな存在。
そんな、高一の秋。
彼女が部活帰りに、塾に入ろうとしていた姿が見えた。
少し後ろから歩いていた俺は、話しかけることも無く彼女を目で追った。
塾行ってんだ…あの子。
「せんせっ!」
顔を少し赤くさせた彼女は、塾の隣の駐車場に止まっていた車から出てきた男の人に笑顔を向けていた。