授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜

第13話




お別れです


 それから倉橋家はお祭り騒ぎのようだった。

 どこから聞いたのか夕方からひっきりなしに近所の人がやってきて、お祝いの箱寿司だとか私は飲めないけど地酒だとかいろいろ持って来てくれた。


「……二人は明日帰っちゃうのよね?」

「はい、すみません。侑埜さんは忙しい人だから早く帰らないと会社もありますし」

「そうなのね、寂しくなるわね」

「私も、寂しいですっ……いっぱい手紙書きます。電話もします」


 たったの三ヶ月だけど、とても濃厚で楽しかったな。

 来た時はこんなふうに楽しい生活ができるなんて思っていなかった。

 帰るのが名残惜しいなんて……

 彩愛さんと話をしていると、どこから聞いたのか常連客の西野さんも来てくださった。


< 132 / 209 >

この作品をシェア

pagetop