授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜



《出産お疲れ様! どう?体調は?》

「昨日まではずっと寝てたから、元気まではいかないけど元気です……あ、この子が娘の愛菜です」


 私は愛菜を抱っこして画面に近づける。


《まぁ〜! 可愛らしい女の子!》


 皆に可愛い可愛い言われて言葉はわからないはずなのにご機嫌に声を出して笑っていた。


《また、愛菜ちゃんが大きくなったら、侑埜さんと一緒にこっちにおいでね。パンいっぱい作って待ってるからね》

「ありがとうございます。パン楽しみです!」


 たくさんお話をして、笑っていると泣き出してしまったので電話を切ってしまったけどみなさん元気そうで良かった。
 

 それからすぐに昼食の時間になって看護師さんが食事を持ってきた。ずっと食べられなかった海鮮丼を食べた。
 この三日で食べたいものが食べられるってなんて幸せだろうと実感していて、本当に幸せだなぁと改めて思った。
 


 そして出産して五日後のこと、私は愛菜と一緒に退院する日を迎えることが出来た。




< 196 / 209 >

この作品をシェア

pagetop