授かり盲愛婚。 〜ハイスペ紳士とラグジュアリ一な一夜を過ごしたら、愛の結晶を宿しました。〜

第3話



デート




 先輩と再会をした夜。

 私は、スマホを見てニヤニヤしていた。思わず「ふふっ」と声が出てしまうくらいに口角は緩み、きっとだらしない顔をしているだろうと思う。

 でも、仕方ない。だってメッセージアプリの新しい友だち欄に【唐橋侑埜】と表示されている。

 高校生の時も連絡先なんて交換できなかった私が、今、彼の連絡先を知ることができるなんて……というか、まさか再会できるなんて思わないよ。


「はぁ……でも、変わらずカッコよかったな」


 秀でた額と綺麗な線を描いている鼻筋、凛々しく薄い唇、あの頃と変わらない黒の艶髪だけど今は綺麗にセットされているからか大人の色気があった。

 完璧で美しく眉目秀麗という言葉が相応しい。思わず見惚れてしまうくらい。

 彼を思い出していると、スマホの通知音が聞こえた。画面には【唐橋侑埜】の場所に数字でイチと出ていたのでそれをタップする。


【こんばんわ、唐橋です。体調は大丈夫ですか?今日は偶然だけど会えてよかった。史菜ちゃんがよかったら、休みの日に喫茶店にでも出かけませんか?】


 そこには丁寧な文章のメッセージが来ていて内容はお出かけのお誘いの言葉が並んでいた……って、お出かけのお誘い!?

 え、誰と?

 送る相手間違えていないか思いもう一度見ると私の名前があり間違えではないことがわかる。






< 21 / 209 >

この作品をシェア

pagetop