つまらない日々に花が咲いた
非常階段の最上部はだいたい3畳ぐらいのスペースで
広いわけではない。

だから2人でいるとなんとなく狭い気もしなくもない。

私は他の女子たちとは違って加納先輩のことは知っていても、
興味を持ったことはない。
ここにいるからってなんとも思わない。
きっと加納先輩も私の名前すら知らないぐらい興味ないだろう。

だから会話することもなく、それぞれ別のことをしていた。
私はスマホで漫画を読んでいたし、
加納先輩は本を読んでいた。

チャイムが鳴った。
何も言わずに去るのも変な気がしたから
「授業終わったみたいなんで、私戻りますね。」
そう言って階段を降り始めた。

「また、ここに来てもいいかな?田所美緒さん」
私は驚いて振り返った。
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