魔法の手~上司の彼には大きな秘密がありました!身も心も癒されたい~
懐かしいな。
二年前もこんなだった。

元上司だった久峰(ひさみね)課長に連れて来て貰ったのがきっかけ。
その課長は既に定年を迎え延長をせず今は夫婦で田舎へ引越し家庭菜園など楽しんでる。

「そろそろ良いか。ほら、足上げて」

「ん?足を上げ、きゃあ!!」

ぬるま湯から右足を引き上げて優しくタオルで包みこむ。

(何、これ。課長が足っ足…)

「課長、足はもう」

「気にすんな」

そう言う意味じゃないんです!
ただただ恥ずかしいだけ!

「こっちに移動して」

リクライニング式の椅子に座らされて背もたれ部分はそのままで足の部分だけがゆっくりと上がっていく。

「足ツボ用の椅子な」

「足ツボ!?」

いや絶対痛いはず…
テレビとかで芸能人のバツゲームで見た事ある。

「まあまあ」

ニヤリと笑う顔は絶対!!

「あっ、気持ちいい」

「だろ?」

微かに香るラベンダーのオイルを惜しみなく塗られて足指を1本ずつほぐすように大きく回す。

土踏まず全体を指先側からかかと側へ掘るような感じで押しながら移動する。

「足は第2の心臓って言うくらい大事なんだ」

うんちくすら心地よいBGMになる。

ゆっくりと土踏まずを押されるけど痛みどころかあまりの気持ち良さに目を閉じてしまう。

(恥ずかしいとか思ってたのに…)

私は完全に…落とされた。



「…花凜…おーい」

名前呼ばれてる。
頭では分かってるのに…目が開かない。

微かに唇に柔らかい感触がした気がしてゆっくり目を開けた。

間近に見えた課長の顔にどっと顔が赤くなったのが分かる。

「起きたか?」

普通の課長の姿。

気のせい?
妄想?
聞くに聞けず彼の問いに頷いて身体を起こした。

普通に気のせいだろう。
だって今日も左手には指輪が光ってる。

「目が覚めたらなら着替えて入口集合」

頭をクシャとされて課長は普通に部屋を出て行く。

「妄想もここまでくれば…病気だよ」

残念な気持ちと安心した気持ちが混合されて複雑すぎる!

考えないようにさっと更衣室に行きいつものカッチリスタイルに気を引き締めた。
< 9 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop