魔法の手~上司の彼には大きな秘密がありました!身も心も癒されたい~
「それからどうなったの〜?」

「何も無い」

ホントの話…
うちは藤乃屋から近いから院先でお別れした。

「つまんない〜!」

「つまるもつまんないも…」

北館チーフで同期の白石桜子(しらいしさくらこ)と本社会議室で打ち合わせ。

「冷静な円生が節操なくやっちゃったかと思った」

なんて同期だ。
酷い言い草だけど良き相談相手でもあるから文句も言えず軽く睨むだけ。

「楽しい女子会ですか?」

「お疲れ様です」

ガラス張りの会議室が開き蘇芳副社長がいつもの優しい笑みを浮かべて「お菓子をどうぞ」と置いて出て行く。

「まだあの副社長のお守りしてんの?」

「仕方ないでしょ?放置して天然振り発揮されてもね〜」

桜子のお姉さんキャラも困った物。
それに甘えて副社長は桜子を頼りに頼ってる。

「仕方ない割にはね…桜子疲れない程度に」

副社長は仕事は出来るしイケメンなのだが何と言うか…天然と言うか…腹黒な気がする。

「うん!私は大丈夫よ。さてドレスの話」

北館は来年一発目に模擬ウエディングが開催予定で各館から主要ブランド一押し商品を出す事になってる。

「藍沢チーフのとこはfleur-de-lis(フルール・ド・リス)が?!」

「そうなのよ。新作ドレスがリストに入ってる」

課長の奥さんの…

「円生さんの藤堂課長が関係してそうだけど詳しく聞いて見たら?」

「私のじゃないし。聞かないわよ」

「ふーん」と意味ありげにボールペンをカチカチと出し入れして…

「今日東館にfleur-de-lis(フルール・ド・リス)の人来るって聞いたけどなぁ」

「そうなんだ」

普通に返答したけどやっぱり内心穏やかじゃない。

「気にしないなら…これ東館にお願いしても良い?これから橘チーフとも打ち合わせだから」

fleur-de-lis(フルール・ド・リス)のリストに何点か丸印が付けられてる。

「私だって」
「気になるの?」
「行くわよ」

売り言葉に買い言葉とはこの事。
仕方なく東館経由で帰るしか無くなった。
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