鏡と前世と夜桜の恋
「ゆきの気が済むなら… 俺のこと殺していいよ。お前を愛してるのに裏切ったのは俺だから… 」
「情なんか要らない!!」
雪美が突き刺したかんざしを抜かぬまま咲夜は雪美を強く抱き締めた。その腕は血で温かく濡れていく。
「情じゃない… ゆきだけは失いたくない… ただ生きて欲しいんだ… 」
自分の鼓動が雪美の震える胸に伝わる。
「ゆき… ごめん… 」
咲夜の声はかすれていて苦しげで誰より優しかった。
「…俺は、お前を心底愛してる」
その言葉に雪美の狂気は一瞬だけ凍りつき、ふっと鈴香の面影が脳裏に浮かび雪美は黙って涙を流し続けた。
咲夜はそっと雪美の頭を撫で、刺されたかんざしを雪美の手に握らせると、そのまま血塗れの姿で何も言わず、そのままおすずの屋敷へと戻っていった。

「おや自分から戻って来たのかい?」
おすずの扇子がパチンと鳴る
それは命令が落とされる合図だった。
「お願いします… ゆきだけは… 幸せになって欲しい」
頭を下げる咲夜を見たおすずは満足そうに高笑いし咲夜に跨り服を脱がし始める。
「さぁ続きをしな。あたしの望む “ 従順 ” の形を最後まで見せてごらん」
咲夜は歯を食いしばる。
その奥で何かが壊れる音がした。
蓮稀がずっと、どんな思いでこの女の言いなりになって耐えて来たのか… 今なら分かる気がする。
「逃げず戻って来たのは偉いねえ。小娘を助けたいんだろう?なら見せてみな、あんたの“ 覚悟 ”私の言う事さえ聞いとけばいいんだよ、あんたも私のとこに帰って来た。もう嬉しいったらありゃしないよ!」
おすずは咲夜の体を撫で回し無理矢理勃たせる。
逃げたい、気持ち悪い…
けどここで拒否すればゆきが… おすずは跨ったまま満足そうに腰を振り続けた。
ゆき、ゆき、ゆき…
おすずに犯されながらも頭に浮かぶのは雪美の事。雪美に刺された傷は自分への戒め… そして傷の激痛はゆきの深い心の痛み。