優しく笑う君が好きだから
 父さんが亡くなってから、落ち着いているようだった僕も、その手紙を読み終えて泣き崩れた。実は、冷静だったんじゃなくて、冷静に振舞ってただけだったから。母さんと肩を並べて泣いた。1晩中。泣き疲れて母さんと2人、居間で寝た。夢には父さんが出てきて、
「湊、優しくて勇気のある子でいなさい。」
と、語りかけてきた。僕は、夢から気づくと、寝ていたはずなのに、雫が頬をつたっていた。
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