甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

あんなに散々煽っていたくせに、解せないと唇を尖らせると、クックククと笑われる。

「休みはたっぷりと2日もあるんだ。楽しみだな」

なんて、とんでもないことを言って先にシャワーへ向かってしまい、残された私は疼く体の熱を持て余していた。

彼がシャワーから出てきて、「ほら、風邪ひくぞ」と、浴室へ放り込まれるように入れられて、イライラしながら髪も体も隅々まで洗い、出れば、そこで待ち構えていたらしい高山チーフにより、体を拭かれ、髪も拭かれ、ドライヤーで髪も乾かしてくれる至れり尽くせりだ。

「自分でできますけど」

「今日は疲れたろ。労ってるんだから、されとけ」

「それなら、高山チーフもですよ」

髪を乾かし終わり、背後からぎゅっと抱きしめられる。

「そろそろ、高山チーフ卒業しろよ。菜々緒」

「へぇっ?」

「なんだ、その間抜け顔。可愛いけど」

チュッと、頬にキスされて、鏡越しに視線が絡む。

「えっと」

「うん」

うわー、なんだろ。声が甘くてドキドキする。

「けん、と」

「なんだ、菜々緒」

「エッチしないんですか?」

「エッチ?しない」

「えっ、なんでですか?私の体に飽きましたか?だから、さっき…」
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