甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る

「愛し合おうな」

鏡に映る顔は、もう、欲情を隠そうとしない駄犬だった。

その後は、洗面所でそのまま一度抱かれ、ソファに移り、そこで何度も叫声を上げさせられ、彼の上になり、散々な目に合う。男の欲望は尽きることなく、朝方近くになって、やっと、ベットで眠ることが叶った。

「うーん…んっ、あっ…ぁああ。ダメ」

甘えた声に目が覚めると、それは自分だった。

「うそ…あっ、なにしてる…の?」

「あっ、起きた。なら、しよう」

「えっ?」

驚く間に、繋がっていて、目覚めたばかりだと言うのに、この男は…

「駄犬め…」

とうとう、口に出してしまった。

「…えっ、まぁ、当たってるか。あははは…菜々緒だから、抱きたいんだ。それに相性いいしな。まだ、今日一日、愛し合える」

嬉しそうに、動きだし快楽へ誘導されるのだ。

2日目は、もう獣かと思われるほど、裸で過ごした。

「服を着ないで一日過ごすなんて。それも、まともな会話らしい会話もなく、寝るか抱き合うか、食べるか、もう、野生の獣です」

「今、ちゃんと会話してる」

浴室に浸かり、背後から抱きしめられいますけど。

なんなら、また再開しそうで怖いぐらいです。

「もう、無理ですからね。わかってます?今度こそ、ぎっくり腰なんて言い訳通用しませんからね」
< 121 / 145 >

この作品をシェア

pagetop