甘やかで優しい毒〜独占欲強めな彼に沼る
あっという間に外は暗くなり、出前を頼んで、もう一夜、彼女と過ごすことに成功。
朝、目覚めたらいない彼女だが、服を隠してあるので帰れないだろう。
寝室を出てすぐに、お味噌汁のいい匂いで、彼女がキッチンにいる後ろ姿を見つけ抱きしめる。
「おはよう。腰どうだ?」
「おはようございます。だいぶいい感じです」
「なら、よかったよ」
「キッチン勝手に借りました。すみません」
「別にいいよ。それより…こっち見て」
横からチュッと唇へのキス。
キザぽく、普段なら絶対しない行為だが、彼女とこんな日を過ごす妄想を何度もしていたせいで、抵抗なくできてしまう。
「どうしたんですか?たかだか体の相性が良かっただけで、私達、そんな甘い関係じゃありませんよ」
はぁぁ…まだ、まだ愛し足りないらしい。
もう、言葉で伝えてしまったら、簡単じゃないのかと思う。
「満足したでしょ?明日からは、上司と部下に戻りましょう」
カチンときた俺は、言うのをやっぱりやめた。
「戻れると思ってるのか?もう、俺なしじゃいられないくせに」
「はっ⁈そんなことありませんよ。不感症じゃないと感じさせてくれて感謝してますけど、他の人ともできるってわかったので、どんどん恋愛を楽しみます」