乳房星(たらちねぼし)−1・0

【45歳の地図】

時は、11月15日の午前11時過ぎであった。

またところ変わって、大番頭《おおばんと》はんの家にて…

この日、大番頭《おおばんと》はんの家に大番頭《おおばんと》はんといとの一人息子《セガレ》・湯上谷遥輝《ゆがみだにはるき》・桃子《ももこ》の夫婦の家族4人が急に引っ越してきた。

遥輝《はるき》は、上の人のメイレイで桃子《ももこ》とお見合いして結婚した。

桃子《ももこ》には、前のとの間にふたりの連れ子・健介《けんすけ》(24歳・ローニン)斗の幸《みゆき》(高校生くらい)がいた。

遥輝《はるき》は、上司から『桃子《ももこ》のふたりの子の父親になれ!!』とメイレイされたので桃子《ももこ》とお見合いして結婚した…

桃子《ももこ》の親御《りょうしん》が『心細い…』と言うたので仕方なく湯上谷《ゆがみだに》のムコヨウシになった…

遥輝《はるき》は、湯上谷《ゆがみだに》の家にイヤケがさしたので妻子を連れて君波《このいえ》に出戻った…

いとは、遥輝《はるき》の一家4人が急に引っ越してきたことに対してより激しい不満をあらわにした。

話は変わって…

家の前にアート引越センターのトラック1台が停まっていた。

20人の作業員たちは、慌ただしい様子で荷物を家の中に入れていた。

そんな中で、いとと遥輝《はるき》がもめていた。

遥輝《はるき》は、ものすごく怒った声でいとに言うた。

「かあさん!!ここはオレが暮らしていた実家《いえ》なんだよ!!オレが家族と一緒にここに引っ越したとがそんなにいかんのか!?」

いとは、ものすごく困った声で遥輝《はるき》に言うた。

「それじゃあ、明憲《ムコハン》の家族はどうなるのよ?」
「明憲《あのガキ》は、顔を見るだけでもヘドが出るのだよ!!」

この時、作業員のひとりが明憲《ムコハン》の家族たちが使っていた家財道具をどうするかと遥輝《はるき》にたずねた。

遥輝《はるき》は『ほかせ!!』と言うた。

作業員たちは、遥輝《はるき》の言う通りに明憲《ムコハン》たち家族4人が使っていた家財道具を次々とほかした。

その後、作業員たちは遥輝《はるき》たち家族4人の家財道具が部屋に入れた。

(ゴーッ…)

時は、午後3時頃であった。

明憲《ムコハン》たち家族4人が乗り込んだ全日空機が大阪伊丹国際空港から飛び立った。

明憲《ムコハン》は、北海道胆振東部の小さな村にある実家の兄夫婦から『急に事情が変わったから帰ってくれ〜』と電話で言われたので急きょ帰省することになった。

沙都水《さとみ》は、勤務していた会社をやめて現地の役場へ転職することになった…

あかりも大学をやめることが決まった…

拡憲《ひろのり》も、現地の小学校に転校することが決まった…

ゆきさんは、堺市《さかい》に帰ったら前もって書いていた離婚届《しょめん》を市役所に出す予定である。

時は、夜9時半頃であった。

またところ変わって、大坂キタの曽根崎新地の酒場街《はんかがい》にて…

ゆみさんからムチャブリされた哲人《てつと》は、フラフラとした足取りで通りを歩いていた。

この時であった。

「うへへへ…」
「イヤ!!離して!!」

哲人《てつと》は、複数の男が若い女性をひとけのない場所へ連れて行こうとしたのを見たので思い切りブチ切れた。

ゆるさない…

やっつけてやる…

またところ変わって、露地裏にて…

「イヤ!!やめて!!」

女性は、必死に声をあげながら助けを求めた。

男数人は、ヘラヘラ嗤《わら》いながら女性を犯そうとした。

そこへ、哲人《てつと》がワーッと叫びながらやって来た。

「オドレクソガキ!!」
「なんや!!」
「やるんか!!」
「オレはむしゃくしゃしてるのだよ!!」
「ジョートーだ!!」

このあと、哲人《てつと》は数人の男たちをボコボコにいて回した。

その間に、女性は大急ぎで逃げ出した。

それから60分後であった。

哲人《てつと》は、この付近にある警察署に連行された。

哲人《てつと》から殴るけるの暴力を受けた数人の男たちが全員死んだ…

哲人《てつと》は、殺人罪でケーサツに逮捕された…

それから数分後に、被害を受けた女性が事件の説明をするために警察署にやって来た。

それからまた2時間後であった。

哲人《てつと》は、セートーボーエーが認められたのでシャクホウされた。

哲人《てつと》は、警察署に迎えに来たゆらさんと一緒に堺市《さかい》の家に帰宅した。

日付けが変わって、11月17日の深夜2時半頃であった。

またところ変わって、大番頭《おおばんと》はんの家の特大広間にて…

テーブルの上に、白いごはんを盛りつける砥部焼きのお茶わんとお漬物類が盛られているお皿が並んでいた。

広間には、いとと遥輝《はるき》と桃子《ももこ》の3人がいた。

この時、ゆらさんが哲人《てつと》を連れて帰宅した。

ゆらさんは、いとに声をかけた。

「おかーちゃん…哲人《てつと》…帰ってきたよ…」

哲人《てつと》は、ものすごくつらい声でいとに言うた。

「ばあば…すんまへんでした…」

いとは、ものすごく怒った表情で『もういいから上がりなさい!!』と哲人《てつと》に言うた。

哲人《てつと》は、つかれた表情で広間に上がったあと空いている席に座った。

桃子《ももこ》は、砥部焼きのお茶わんに白いごはんをついだ。

いとは、怒った声で『ごはんを食べたらばあばと大切な話をします!!』と哲人《てつと》に言うた。

それから30秒後であった。

思い切りブチ切れた哲人《てつと》が遥輝《はるき》に殴りかかった。

「オドレクソオジ!!」
「なにすんねん!!」
「湯上谷《ゆかみだに》の婿《アホンダラ》がなんでここにいるのだ!!」

(ガーン!!)

思い切りブチ切れた哲人《てつと》は、遥輝《はるき》のこめかみをグーで殴りつけた。

「なんやオドレ!!やるんか!!」
「湯上谷《ゆかみだに》のクソガキャ!!ぶっ殺してやる!!」

このあと、哲人《てつと》と遥輝《はるき》は家の中でドカバキの大ゲンカを始めた。

「あなたやめて!!哲人《てつと》さんもやめて!!」

桃子《ももこ》は、遥輝《はるき》と哲人《てつと》に対してケンカしないでと言うた。

しかし、ふたりは思い切りブチ切れていたので桃子《ももこ》の声は耳に届いていなかった。

遥輝《はるき》と哲人《てつと》は、約6時間に渡ってドカバキの大ゲンカを繰り広げた。
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