熱愛発覚中
牛島さんは手を額に当てると、
「よく覚えてたな、そんなもん…」
と、呆れたように息を吐いた。

「死ぬまで覚えていると思う」

「忘れろ、いい加減に忘れてくれ」

「無理」

「おい」

変なやりとりだと思ったけれど、私とこんなやりとりができるのは後にも先にも牛島さんだけだろうなと思った。

「莉理だって、結婚は愛だとか恋だとかで証明するって言ってたじゃないかよ」

「言ったね、それで今はどんな気持ちなの?」

「おい」

牛島さんは痛いところを突いてやったような気持ちで出しただろうけれど、私が特に何も変わらなかったので不満そうだ。

自分の言ったことくらい、ちゃんと覚えているっつーの。

私はそれが目的で牛島さんとの期間限定の結婚を決意したんだから。
< 206 / 225 >

この作品をシェア

pagetop