宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
どちらの方が上手いかで競い合うなんて子どもっぽいなと思いつつ、そんな会話も楽しくて仕方ない。
「結瑠と一緒だと何をしていても楽しいな」
そう思っていたら、宝さんも同じことを思ってくれていた。
心がポカポカと温かくなる。
「結瑠といると穏やかな気持ちになれるのに、刺激もある。こんな気持ちは初めてだ」
「それは私も。恋愛が楽しいなんて思ったことはなかったから」
「そういえばその……もういいのか?」
宝さんが少し遠慮がちに尋ねた。
「もういいって?」
「その……初恋は」
歯切れ悪く尋ねる宝さんに、私は何度も瞬きしてしまった。
「……初恋の話、しましたっけ?」
「あっ。いやその……何でもない。すまない」
「宝さん?」
「……」
じっと宝さんの目を見つめると、観念したように肩を竦めて答えた。
「結瑠がやたら酔っ払ってしまった時があっただろう?その時に結瑠が話してくれたんだ。まあその、妹の旦那がずっと好きだったと」
やだ、私ったら。やっぱりあの時ペラペラと色々喋っていたんだ。
「覚えていないようだったし触れられたくないと思って黙ってたんだが、本音はずっと気になっていて……」
気まずそうに、ちょっと申し訳なさそうにもしている宝さんが愛おしくてキュンとした。
「――もう、察してよ。宝さんのことが好きなんだから、完全に吹っ切れてるに決まってるじゃない」