宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 結瑠の瞳はゆらゆら揺れていたけど、決してその瞳から涙はこぼすまいとしているのが伝わってきた。
 そのいじらしさに胸が締め付けられる。


「今更どうにかなりたいわけじゃない。二人とも大好きだし、心からおめでとうって言いたい。
それなのに、いまだに未練がましくショックを受けてしまう自分が、本当にきらい……」

「結瑠……」

「わかってるの、いまだに引きずるようなダメな女だから、碧は私を……」
「ダメなんかじゃない!」


 思わず声をあげていた。


「なんで結瑠がダメなんだ。ダメなのは結瑠を選ばなかった男の方だろう」

「っ!碧のこと悪く言わないでくださいっ」

「なんで君を傷つける男のことなんか庇うんだ」

「だって、私がかわいくないから。優璃の方がずっと素直でかわいくて、好かれて当然だから……っ」

「俺にとっては結瑠が一番かわいい」


 思わずぎゅっと結瑠の腕を取り、真っ直ぐ目を見た。


「今まで出会った中で誰よりも結瑠がかわいくて一番魅力的だ」

「……っ」


 本当にその男は見る目がないな。
 普段は真面目で仕事熱心で隙を見せないようにしているが、実はこんなにも繊細で弱々しい一面もある。

 笑った顔も怒った顔も寂しそうな顔も、全部がかわいい。
 本当は今すぐ君を抱きしめたい。


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