宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜



「……宝さんは、やっぱり変です」


 ポツリと呟いた結瑠の頬はさっきよりも赤かった。照れているのか酒のせいなのかはわからない。


「変ですよ、趣味悪い」

「だから良い趣味だろう」

「どこが?変ですよ……なんで、わたしなんか……」


 結瑠はテーブルに突っ伏したかと思えば、そのまま眠ってしまったようだ。
 瞼はしっかりと閉じられ、少し揺さぶった程度では起きる様子がない。
 
 完全にすやすやと寝息を立てている。
 改めてだいぶ酔っていたようだなと思った。

 俺は結瑠を起こさないように体を起こし、所謂姫抱きというやつをして結瑠の部屋に運んだ。

 ベッドに寝かせても結瑠は起きる気配がない。
 無防備な寝顔を見ていると、無意識に触れたくなる。

 そっと優しく頬を撫でてみても、結瑠は全く起きなかった。


「……ん、」


 微かに反応し、ピクリと動いて声が漏れ出る。

 結瑠の何気ない仕草や表情の一つ一つが扇情的で、俺を激しく煽る。
 もちろん酔って寝ている姿を襲うような真似はしないが、これでも相当我慢しているのだ。


「……結瑠、どうしたら俺を見てくれるんだ?」


 俺が虜になった君の瞳に映っていたのは、他の男だった。

 結婚はしないと言い張る結瑠の本音を見たような気がした。
 そしてそれと同時に、結瑠に愛される会ったこともない男に激しい嫉妬心を覚えた。

 あの夜から結瑠は、俺に知らない感情ばかりを植え付ける。


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