病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
会場はパーティーどころではなくなっていた。
少し離れた場所で様子を窺っていたフェリベール公爵もさすがに頭に手を当てて軽蔑する視線を送っている。

ヴァンはリリアーヌの前に向かうと目の前でピタリと足を止めた。
リリアーヌはヴァンが自分を選び、味方をしてくれると思ったのか頬を赤らめて嬉しそうにしている。


「最期に言い残すことはそれだけですか?」

「え……?どういうこと?」

「言ったはずですよ。二度はないと……」


ヴァンの言葉が理解できないのかミリアクト伯爵たちは戸惑っているようにも見える。
ヴァンはリリアーヌの前に足を進めた。
そして指で首の傷があったであろう場所を爪でスッとなぞる。
リリアーヌの体がビクッと跳ねた。


「君は王都で会った時もコレットを馬鹿にしていたけど一体、何様なの?」

「王都、でも……?」

「ここまで馬鹿だと、むしろ哀れだな」


リリアーヌはヴァンの言葉を理解したようだが、信じたくないのか首を横に振っている。
そしてヴァンが一歩後ろに下がり、どこかに合図するのと同時にメイメイとウロの顔が露わになる。
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