病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
この幸せな時間はずっと続くと思っていた。
しかし、あっさりと終わりを迎えることになる。

王家主催のパーティーから帰り、コレットはいつものようにリリアーヌの部屋にいる両親に興奮気味に声をかけた。


「お父様、お母様、紹介したい令息がいて……!王家主催のパーティーで知り合った方なのだけれど」


コレットは興奮と喜びのあまり、リリアーヌがいる場所でヴァンのことを話そうと口を開いてしまった。
そもそもそれが大きな間違いだったのだが、そんなコレットを待ち受けていたのは残酷な宣告だった。

無言で近づいてきた母を見上げていたコレットは突然、頬を叩かれて驚きに目を見張った。
あまりにも突然でコレットは声を出すことすらできないでいた。


「気になる令息ですって!?馬鹿なことを言うのもいい加減になさいッ」

「え……?」


母は顔を歪めてポロポロと涙を流していた。
その意味がわからないままコレットは頬を押さえた。


「お前の婚約者候補はもう何人か見繕ってある。お前は婿を貰ってミリアクト伯爵家を継ぐんだ」


母の後ろで威圧感たっぷりに父が言った言葉を聞いて唖然としていた。
なんとなく自分が伯爵家を継ぐことはわかっていたが婚約者の話など、一度たりともされたことはない。
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