病弱な妹に全てを搾取されてきた令嬢はもう何も奪わせない
コレットが考える間もなく、次に聞こえたのは母の怒号だった。


「リリアーヌの前なのにっ、あなたって子は!少しは気を遣えないのっ!?」

「……っ」

「いいのです。お母様……わたしの体が弱いせいで迷惑をかけてごめんなさいっ」


そう言ってリリアーヌは悲しげに瞼を伏せて小さく震えている。


「リリアーヌが苦しんでいるのに男漁りをしていたなんて信じられないわ……!」

「お前は少しはリリアーヌの気持ちをわかってやったらどうなんだッ!この馬鹿者がッ!」

「ぁ……」


最近、ミリアクト伯爵邸におらず出掛けてばかりいることを家族にこんな風に思われているのだとコレットは初めて知り、驚愕していた。
それと同時にどうしようもない苦しさが込み上げてくる。


「最近はリリアーヌと話もせずに遊んでばかりでコレット、お前というやつは……っ!」

「あなたには本当に呆れたわ!わざわざリリアーヌの前でこんなことを言うなんてっ!あなたには人の心がないのっ!?」

「そんな、つもりは……」


コレットの反論は許さないとばかりに反対の頬に父の容赦ない平手打ちが飛ぶ。
< 10 / 234 >

この作品をシェア

pagetop