初恋リメイク!


「黙ってくれるお礼だよ。いいよね、葵」
「ああ」
 
 匠先輩からもらったリボンは深い紅色で、ハチミツを舐める可愛いクマとロゴマークが刺繍されていた。
 
(うわあ!こんなに可愛いリボン見たことない!)

 乙女心をくすぐるキュートなリボンに、私は思わず顔を綻ばせた。

「ハニワのオリジナルリボンだよ。よかったらつけてね」
「ありがとうございます!」
「ジャージ、返すのはいつでもいいから。昼休みと放課後は大体、ここにいる」

 葵先輩の言葉にペコリと頷くと、私は被服室を後にしたのだった。


(不思議な人達だったな……)

 その夜はベッドに潜り込んでもなぜかドキドキしてしまって眠れなかった。
 裁縫男子の葵先輩。
 スカート男子の匠先輩。
 二人との出会いはある意味、失恋よりも大きな衝撃があった。
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