初恋リメイク!
2.迷子のクマさん

「おはよう、晶ちゃん!」
「おはよう、花音(かのん)ちゃん」

 教室にやってきた私に最初に声を掛けてくれたのはクラスメイトの花音ちゃんだ。

 花音ちゃんはテニス部に所属していて、ショートカットと赤いヘアピンがよく似合う明るい女の子だ。私とは同じクラスで一番の仲良し同士。

 花音ちゃんは警戒するように辺りを見回すと、小声でそっと尋ねてきた。

「ねえ、昨日はどうなったの……?」
「それが……」

 仲良しの花音ちゃんだけには小鳩先輩に片想いしていることを打ち明けていた。
 花音ちゃんに昨日の放課後の顛末をこっそり話すと、同情的な視線を送られた。

「晶ちゃん、元気出してね?人類の半分は男の人なんだから!次行こ、次!」
「あはは……!」

 恋愛対象がワールドワイドすぎない?
 でも、花音ちゃんのポジティブな考え方を少しは見習った方がいいのかもしれない。
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