ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
立ちんぼ
午後9時の橋の上は風が通り抜ければ寒さを感じる。
小平日奈子はそんな中モコモコのグレーのコートを身に着けて、下は黒いフリルのミニスカートと黒のロングブーツ姿で立っていた。

かれこれ30分以上はここで立っているけれど、今の所誰も声をかけてこない。
日奈子の周りにも同じような寒そうな格好で立っている女のコたちがいて、その子たちのほうが若いのが原因だと、日奈子本人もよくわかっていた。

日奈子はもう1度小さなバッグからスマホを取り出して自分の姿を確認してみた。
ついさっき化粧直ししたばかりだから、ファンデーションもよれていないし、口紅もしっかりついている。

パッと見れば10代後半くらいに見えるはずだ。
そんな日奈子の本当の年齢は24歳。

近くで肌を確認すれば、周りにいる子たちよりも衰えていることは一目瞭然だった。
だけどまだまだ若くてキレイなことには変わりない。

大丈夫。
今日もきっとお客さんが来てくれるはず。
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