ホストに恋して破滅した私ですが、高級キャバ嬢になってイケメンオーナーから愛されています。
☆☆☆

「ハウスキーパーを彼女だと思いこむなんて。私って重症なのかも」
ようやく朝食も終えて出勤準備を整えながら日奈子はひとり呟いた。

今は自分の部屋の鏡台の前に座っている。
ノアールの初任給で購入したものだった。

今はここに沢山の化粧品たちが並んでいる。
久しぶりに感じる恋愛感情に戸惑い、このまま暴走してしまうんじゃないかという不安がよぎる。

相手はノアールのオーナーだし、同居人でもある。
「このままじゃダメだよね」

鏡の前の自分に問いかける。
うまくいくにしても、いかないにしても、中途半端な宙ぶらりんはよくない。

きっと接客態度にも出てしまう。
日奈子は覚悟を決めて部屋を出た。

リビングではパソコンとにらめっこしている光の姿があった。
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