財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
「うん」
「秘書課内では菜々のこと言いたい放題だったじゃない。そういう倫理観があったとは思えないから、崇さんが念を押して外へ出したんでしょ。絶対そうだよ」
「あ、真紀、そろそろ時間よ。少し早めに戻るって言ってたじゃない」
時計を見た真紀はガタンと音を立てて立ち上がった。
「まずい、話に夢中なって忘れてた」
「ここは私が払っておくから先に戻りなよ」
手を合わせた真紀は鞄を持って急いで出て行った。