財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

 ソファに座った彼は辰巳さんに言った。

「……ああ、鷹也から聞いてる。例の彼女を親しい連中にとうとうお披露目するらしいな」

「総帥もご招待したいがいいかとあちらから先ほど確認がありました。どうやら玖生さんのお父様が復帰されるとかで総帥に挨拶したいと言われました」

「ふーん。ただ、継ぐのは親父さんじゃなくてアイツだろ?」

「そうでしょうね」

「総帥が清家財閥のものは崇さんが必ず行くはずだから、俺は行かないと伝えてくれと言われたのでお断りしてあります。よろしくお願いします」

 崇さんはパソコンを見ていた私の方を向くと声をかけた。

「香月。近いうちに清家財閥主催のパーティーの招待状が来るはずだ」

「わかりました」

 辰巳さんが崇さんに言った。
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