財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す

「実は、例の清家の船上パーティーの招待状がなくなった」

「……は?なくなったってそれはどういう……」

「香月がしまっていた机のファイルからその招待状だけがなくなっていたんだよ」

「香月が鍵をかけ忘れたとかですか?いや、なくしたって言ったって、こんな小さな部屋です。落としたってすぐわかりますし、あれを持ってうろうろしないでしょう。コピーもここはありますし、秘書室へ行く必要はないはずです」

「だからおかしいんだろ。お前、香月を目の敵にしている秘書室の例の連中が何かしそうだってこの間言ってただろ」

「黒沢さんの父親が来て、正式に縁談を勧めて欲しいと先週総帥に直訴しましたからね。焦っているのは明白です。総帥もハッキリ断ればいいのに、はぐらかしましたからね」

「まったくだ」
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