私の彼は、一途な熱血消防士
 まみちゃんのお母さんを見送ると、私はまみちゃんを教室へと連れて行く。園バッグをロッカーに仕舞うよう促すと、すでに登園している他のクラスのお友達がまみちゃんに声を掛ける。

「先生はほかのお友達のお迎えがあるから、時間までみんなで仲良く遊んでいてね」

 教室内にいる園児たちへ声を掛けると、元気のいい返事が返ってくる。この中には早い時間に登園している年長クラスのお友達もいて、新入園児たちのお世話を焼いてくれるのが頼もしい。目を見張る子どもの成長に、将来自分に子どもが生まれたら、きっとこんなふうになるんだろうなと、つい想像してしまう。

 そうこうしていると、続々と園児が登園してくる。園庭へと面した廊下にそれぞれの靴箱を設置してあるため、他の先生たちも廊下で園児を待っている。みんな元気いっぱいで登園してくる姿を見ると、安心するのは私だけではないはずだ。

 そろそろ始業時間の八時半が近づいている。この時点で、ばら組の園児は全員登園している。他のクラスも欠席連絡のあった園児以外、全員登園しているようだ。不審者対策のため、園長は職員室から外に出ると、道路に面する門扉を閉めた。
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