私の彼は、一途な熱血消防士

怪我と告白と ４

　変な噂どころか、私も独身なのは幼稚園の保護者も知っているので、独身の消防士という餌に食いつく保護者ばかりな気がする。
　しかも、誠司さんのお姉さんがやけに『独身』を強調するものだから、きっと私たちは幼稚園の保護者たちからそういう目で見られるだろう。

「変な噂ねえ……」

　一方で誠司さんは、車の運転をしながら呑気に相槌を打つ。私は何と答えたらいいかわからず黙っていると、美波ちゃんがそばにいるからかこれ以上このことに触れず、別の話題へと移った。

　しばらくすると美波ちゃんたちの家に到着し、私は勧められるがままに家の中にお邪魔させてもらうこととなった。

「とりあえず、腕は冷やさなきゃいけないんでしょう？　うちにある保冷剤、よかったら使って」

　リビングに通され、美波ちゃんと一緒にソファーへ座るよう促されると、断ることは難しい。言われるがままソファーに腰を下ろすと、美波ちゃんのお母さんはキッチンへと向かい、お茶の用意を始めた。