私の彼は、一途な熱血消防士
「はい……。すみません、ご迷惑をお掛けしますが、今週は自宅療養させていただきますね」

『お休みの間、ばら組のことは私が担当するから心配しないで』

 園長先生の言葉の後に、他の先生も後ろで「そうよ、怪我を直すことに専念してね」との声が聞こえた。

 通話を終えると、誠司さんは車をゆっくりと発進させた。

 車が幼稚園に到着すると、駐車場は宅配業者のトラックで塞がっていたので、正門前に横付けしてもらうことにした。路上駐車するわけにはいかないので、通行の邪魔になればすぐに移動できるよう誠司さんには車の中で待機してもらい、私は一人で職員室へと向かう。

 職員室では先生たちが全員揃っており、みんなに病院での診断結果を報告した後で診断書を提出した。

 園長先生から今朝洗濯をしたキャミソールを受け取り、今週いっぱいは療養で仕事を休むことを再度言い渡されて、幼稚園を後にした。

 誠司さんの車に戻ると、ドラッグストアとスーパーに寄ってもらい、食材と氷を買った。氷は冷凍庫の中にもあるけど、腕を冷やすには足りないので、少し多めに購入した。病院の時と同様で、買い物の荷物も誠司さんが持ってくれる。
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