私の彼は、一途な熱血消防士

怪我と告白と 8

 色々なことで頭の中がいっぱいになり、考えが上手くまとまらない。頭を抱えていると、シャワーを終えた誠司さんが姿を見せた。

「どうした? 気分悪い?」

 その声に、私は顔を上げた。

 誠司さんは首にタオルを掛け、Tシャツとハーフパンツを着用している。きっとこれが彼の部屋着なのだろう。

 薄着だからか、誠司さんの盛り上がった筋肉が、引き締まった肉体がはっきりとわかる。加えて整った顔立ちをしている。見た目も中身も全てが完璧だ。
 そんな人が私のことを好きだと言ってくれるなんて、私の人生でたった一度、あるかないかの奇跡に思える。

 私は無言で誠司さんを見つめた。そんな私を、誠司さんは心配そうに覗き込む。

 沈黙を破ったのは、私だった。

「誠司さん」

 私の声に、誠司さんが優しく返事をする。

「うん、どうした?」

 このまま自分の気持ちを素直に伝えてもいいだろうか。邪魔が入ることのない二人きりのこの空間で、好きだと伝えたら、きっと……
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