私の彼は、一途な熱血消防士
「お昼の件、お返事させてください」

 私の声に、誠司さんの動きが止まった。緊張から私が深呼吸すると、誠司さんは生唾を飲み込む。喉仏が上下に動くそのさまが、やけに艶めかしく見えた。

「私のこと、好きって気持ちは本当ですか?」

 私の問いに、誠司さんは無言で頷いた。私は一呼吸吐くと、再び口を開く。

「私も、誠司さんが好きです」

 お互い見つめ合ったまま、しばらく沈黙が流れた。

 誠司さんは目を大きく見開き、少しして何度か瞬きをする。そして、頬が徐々に赤らんだ。

「ほんとに……? こんなこと言うのも何だけど、俺に言わされてるとか、そんなことは」

 誠司さんの言葉を遮るように、私は被せ気味に返事をする。

「ないです。ずっと素敵な方だと思ってました。ただ……、誠司さんは保護者さんだから。幼稚園の職員と保護者でこういう関係になるのって、どうなんだろうって考えていたら、素直になれなくて……」
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