私の彼は、一途な熱血消防士
 帰宅して落ち着いてからそれを見て、これは受け取ってはいけないものだと察したらしい。

 それまでは話しかけられても適当に流していたし、私が心配するようなことは何もないからと、詳細を語ることはなかったけれど、この時だけは違う。

 メモを渡された日の夕方、誠司さんから相談を受けた私は、誠司さんから幼稚園に電話を架けて園長先生にそのことを伝え注意してもらうようにしたけれど、全然効果はなかった。

 降園時の引き渡しでの申し送りは、全てさつき先生から話を聞くようにしているため、大森さんが何かアピールしていても、ほぼスルーしていたのだ。
 だから大森さんも強硬手段に出たのだと思う。

 その気持ちわかるけど、ここは幼稚園だ。大森さんは実習に来ているのであって、出会いを求める場ではないのだから、そこの線引きは間違えてほしくない。

 今日は誠司さんが非番で美波ちゃんのお迎えに来ていたから今晩はうちに泊まるだろう。

 最近では、非番の日のうち二回に一度の割合で、誠司さんが泊まりに来るのが当たり前のようになっている。
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