私の彼は、一途な熱血消防士

一難去ってまた一難 3

 戸締りをきちんと確認し、部屋を出ると、誠司さんの車に乗り込んだ。

 夏祭りの日以来何度か乗せてもらったけれど、やはり普通車は私の軽自動車より乗り心地がいい。車が大きくタイヤも太い分、振動が車体に伝わりにくいおかげで快適だ。

 誠司さんが向かったのは、車で一時間ほど走った先にある飲食店だった。丸太の木をふんだんに使ったログハウスで、店の窓から夕陽が沈む海が見える絶好のロケーションが人気のお店だ。

 お店に到着すると日没を過ぎてしまっていた上に、夕食の時間帯のせいか、駐車場はいっぱいだった。

「残念、タイミング悪かったなぁ……。ここはまた今度にして、もうちょっと先まで行こうか」

 どうやら誠司さんは今日、ここで夕陽を眺めるのが目的だったようだ。私は特に、どこへ行きたいという希望がなかったので素直に頷くと、誠司さんは店の前を素通りした。

 次に向かった先は、商業施設が立ち並ぶショッピングモールで、私たちはウインドウショッピングを楽しんだ。
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