私の彼は、一途な熱血消防士
 誠司さんは、今から美波ちゃんへのクリスマスプレゼントに頭を悩ませているという。

 というのも、美波ちゃんはまだ六歳。サンタクロースの存在を信じている。美波ちゃんのお母さんから事前にプレゼントを購入するよう頼まれているのだ。

 クリスマス商戦が始まるにはまだ少し早いけれど、欲しいものは決まっているらしく、サンタさんからのプレゼントは余裕で購入することができた。

 でも、それとはまた別に、『誠司さんから』のプレゼントを用意しなければならないのだ。

 外孫とはいえ大塚家の初孫に、みんながメロメロになっているのがよくわかる。
 こちらに引っ越してくる前までは、美波ちゃんが欲しがっているおもちゃをクリスマス前日に到着するよう送っていたそうだ。

 昨年は、サンタさんからのプレゼントは誠司さんの車のトランクに隠し、美波ちゃんが寝静まった頃を見計らって枕元に置いていたらしい。

「本命のサンタ以外にもジジババからのプレゼントもあるんだから、俺からのプレゼントはいらないだろ」

 プレゼントに頭を悩ませるのは、昨年渡したものが不評だったからだそうだ。
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