私の彼は、一途な熱血消防士
 はっきりしない私に対して、誠司さんが珍しく真剣な表情を浮かべた。

「愛美、ちょっと冷静になろうか。俺たちはお互い好きで一緒になろうとしてるんだ。外野のことなんて関係ないだろう? それとも何? 俺と別れて俺は大森さんと付き合えばいいのか?」

 その言葉に、私の頭の中が真っ白になる。

 誠司さんと、別れる……?

 いやだ、そんなことありえない。

 私は涙目になりながら、首を横に振った。

「そんな……っ、誠司さんひどいよ。何でそんなこと言うの? 私、そんなこと思ってない」

「俺はそんなに頼りないか? 愛美が不安になるような男か?」

 誠司さんから目が離せなかった。
 なぜなら、誠司さんの目にも、薄っすらと涙が浮かんでいる。

 私は、再び首を横に振った。

「そんなことない」

「じゃあ、もう大森さんのことは気にするな。大丈夫だ、もし何かあれば俺に言ってくれ」

 私は涙で誠司さんの顔が見えなくなった。
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