私の彼は、一途な熱血消防士
「大森さん……、人の話を聞けないあなたは、人生損してるよ。大塚さんが、あなたを相手にしなかった理由がそれだよ」

「はあ? どうして愛美先生がそんなことを? こうしてきちんと話を聞いて返事してるじゃないですか。頭おかしいんじゃないですか?」

 どこまでも私を挑発する口調に、内心イライラしながらも、努めて冷静を装った。

「ほら、そうやってすぐに私を挑発しようとしてるでしょ? そういうとこだよ」

「わかったような口を利かないでよ! 何であんたなのよ! 大塚さんはあんたなんかのどこがいいのよ!」

 大森さんは元々精神年齢が幼いのか、それとも単なる癇癪持ちなのか、まるで自我を通そうとする子どものようだ。

「それは大塚さんに直接聞いて。私も、大塚さんがどうして私のことが好きなのか不思議でならないから。……さっき、大森さんが言ってた付き合い始めのきっかけだけど、大塚さんが私に告白してくれたんだよ」

 その言葉を聞いた大森さんの動きが止まる。どうやら信じられないようだ。
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