私の彼は、一途な熱血消防士

出会い 5

「ママー、きょうはからあげがたべたいって、あさせいちゃんがいってたよ」

 さつき先生のクラスの美波ちゃんだ。どうやらお母さんと一緒のようだ。

「え? そうなの? 今日はお魚の煮つけにする予定なんだけど」

「えー、おさかな?」

「うん、お魚を食べると頭が良くなるって、お魚売り場の前で曲が流れてるでしょう?」

 おさかなの歌は幼稚園でも歌っているので、美波ちゃんも知っている曲だ。

「せいちゃんがね、さっきもからあげをかってきてっていってたよ。……あれ? まなみせんせい?」

 どうやら気付かれてしまったようだ。私は今気が付いたようにゆっくりと振り返る。

「あら、美波ちゃん、こんにちは。お母さんと一緒にお買い物?」

 美波ちゃんに声を掛けながら、美波ちゃんのお母さんに会釈をすると、お母さんも会釈を返す。
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