私の彼は、一途な熱血消防士

出会い 7

 数日後、小春から月末の異業種交流会の時間と場所を知らせるメッセージを受信した。

 場所は、駅の近くにあるダイニングバー『(いろどり)』。ここは創作料理が美味しいと評判のお店だった。ランチタイムも営業をしており、特に限定メニューのオムライスが有名らしい。

 私は昔からお酒を美味しいと思えないため、この日も飲酒するつもりはなく、お店まで車で向かうことにした。

 そして迎えた当日、日中のうちに実家へ顔を出した。帰省のたびに、母がおかずを持たせてくれるので、タッパーウェアを洗って返すと、母がまた作り置きのおかずを持たせてくれる。実家を出て一人暮らしを始めて、母のありがたみが身に沁みる。

 いつもなら土曜日は実家にお泊りして翌日帰宅するけれど、今日は用事があるからと、夕方には実家を後にした。

 一度アパートに戻っておかずを冷蔵庫に入れると、着替えを済ませて、ダイニングバーへと向かった。
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